夢が破れた時
今思えば自分が馬鹿だったんじゃないかと思う。後先のことは考えずにとにかく面白そうだったし、何よりも全てを信じていたからである。
この話の始まりは一年前の6月のあるメールがきっかけだった。
『事務所に来ないか。』
その事務所が作る作品は国際的にも有名で
大変だと分かっていながらも、自分に声をかけてくれたこと、経験を積んでみたかったことなど、自分の思想と共感する部分は沢山あって
自分の人生を後悔しないように戦いにいった。
事務所に行くまで2ヶ月ほど数奇屋建築のディテールの勉強を手描きでしていた。分からなかったことがある程度分かるようになり、自分としても行ってみる前から出来ることが増えた気がした。
事務所にとりあえず来てくれと言われ
色々試したが、給料が8万円しかもらえなくて12万円ないと生活が出来ないことが
発覚したから帰ってきた。
自分の能力を安売りすることはできないし
希望に満ちたものづくりをしている人が
絶望しかない世界で作っているのが
自分には耐えられなかった。
ある意味でその生の執着に関して言えば
とてつもないことがあった。
それが作品作りなんだと思った。
帰った時、家族や友達が親身になってくれて
2日間くらい大号泣した。
人間の優しさを知った。
生きてることの感動を覚えた。
すごい努力したけど
無理だったからこれからどうしようかなと
思っています。
頑張って生きていかないと。